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2015/01/29
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PDCコラム アスリートと咬み合せ
歯には“病気”と“怪我”があります。
“歯の病気”は薬と処置でおおよそ治す事が出来ますが、
“歯の怪我”はそう簡単にはいきません。歯には自然治癒能力が無いからです。
歯は身体で最も硬い組織であり、
何百㌔という体重以上の力を受けていると言われています。
どれだけ硬い組織であっても、摩耗や破折は避けることは困難なのです。
一般的な歯科医療としての責務は、
①“怪我”をして壊れてしまった歯を、生体材料で直すこと
②“怪我”から波及してしまった“病気”を、薬と処置で治すこと
③ふたたび“歯の怪我”をしないようにすること
の3つです。
①と②の発展は目覚ましい発展を遂げています。
しかし、③についてはまだまだ不確定要素は多く、
専門家内でも混沌としているのが現状です。
それは、痛みや破壊が起きてから初めて気付くケースがほとんどだからです。
今回は、プレミアムデンタルケアで担当しました
トップアスリートの方をご紹介したいと思います。
ご縁が有り歯の治療を担当させていただいたのは、
元千葉ロッテマリーンズの荻野忠寛投手です。
診療当初は、かみ合せの左右の不調和が顕著に診られていました。
痛みは無いのだけれど、何かおかしい…といった状況です。
肩や膝の治療も重なったことから、
歯の病気を治療しながらかみ合せを整えていくことに
同意していただきました。
現役である荻野投手の歯科治療で留意した事は、
* 奥歯が左右で常に咬み締める事が出来る事
* 歯に怪我が起こらないように、かみ合せを管理・調整すること
この2点でした。
最終的には、前歯と奥歯の調和を整えるために歯列矯正も取り入れました。
(矯正専門医 任剛一先生のご協力にて)
そして、荻野投手の身体の回復とともに、
歯やかみ合せも健康を取り戻すことが出来ました。
これからも、歯の健康を守ることで荻野投手が野球を頑張っていただけるよう
全力で取り組みたいと考えています。
トップアスリートたちが我々に与えてくれる 夢・勇気は多大なるものです。
そのトップアスリートたちが日々努力するなかで、
苦しんでいるのは“病気”でなく“怪我”という印象があります。
歯科においてもこれは決して例外ではないのです。
アスリートたちの場合、歯の怪我のリスクが高いことは想像に難しくないと思います。
歯を怪我から守って行く事は、身体能力の維持・増進に繋がっていきます。
良いかみ合せは、健康にとても重要だと言えるでしょう。
健康の象徴であるアスリートだけでなく、だれもが求めるものは、
“治療にならない事” “たとえ治療になったとしても 再び治療にならずに経過する事”、
つまり予防です(疾病を医すのでなく未病を癒す)。
プレミアムデンタルケアでは、虫歯や歯周病だけでなく、かみ合せの診査および調整にも力を入れています。
バイトアイBE-Ⅰ(GC社)という装置を用いて、
いままで目に見えなかった詳細なかみ合せの不調和を把握し、歯の怪我を予防することが可能になりました。
予防歯科は、新たな、そして本来有るべき姿に進化しているのです。